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利用者の服薬介助のコツ~介護施設編~

薬の飲み忘れ防止のための入れ物
介護現場の日々の業務は複雑で繁忙です。多くの業務の中で、間違いやすく事故のリスクが高いのが服薬介助です。病気の進行や体調に直結する服薬について、介護現場では間違いが起きないように様々な工夫がされています。

そこで、介護現場で実際に行われている服薬介助のコツをご紹介します。

なぜ、介護施設で誤薬が起こりやすいのか

薬とコップに入った水
介護施設にはいくつかの種類がありますが、ショートステイ(単体、1施設の場合)では20名の定員で利用者が入れ替わり立ち代わりの利用、特別養護老人ホームや介護老人保健施設では100名規模となっています。

利用者の人数を考えただけでも、服薬介助は介護士にとって時間的にも精神的にも負担の大きな業務といえます。

介護施設の利用者は皆何らかの介助が必要です。そのため、服薬介助は利用者人数の問題だけではなく、看護師や介護士が薬の内容や回数、確実に飲み込むための工夫や確認などをおこなう必要があります。

限られた看護師や介護士の人数で時間に追われながら様々なケアにあたる介護施設では、誤薬のリスクは常に高い業務のひとつなのです。

服薬介助で介護士が気を付けるポイントと工夫

カルテをもっている看護師
それでは、服薬介助で介護士が気を付けるポイントをまとめていきましょう。

ポイントはどのような点が誤薬に繋がるかを知ることです。そして、誤薬が発生しないように工夫するポイントをまとめておきましょう。

1.利用者人数が多い

利用者ひとりひとり薬の種類や飲む時間が異なります。利用者の数が多いと薬の飲み忘れやほかの利用者の薬と間違えてしまう原因につながります。
  • 服薬介助が必要な利用者の把握の工夫
  • 薬を間違わずに配布する工夫
  • 職員の業務配分の工夫とチェック体制の工夫
  • 職員が服薬の内容や方法を周知しやすい体制の工夫

2. 必要な服薬介助が利用者ごとに異なる

介護施設の利用者の身体状況はさまざまです。自身の薬がわからない場合や飲み込む力が弱い場合は薬が口の中に残ってしまうこともあります。
  • 利用者の認知機能を把握する
  • 利用者の身体機能(病気の内容や嚥下機能レベル)を把握する
  • どのタイミングでどのような介助が必要かを理解する

3. 誤薬のリスク管理に備える

介護施設での誤薬はあってはならないことです。誤薬が発生しないように事前にできる準備もあります。施設介護の現場では日々、下記のような対応をおこない、誤薬のないように努めています。
  • マニュアルの作成
  • 誤薬発生時の対応を把握
  • 勉強会の開催
  • 報告、業務改善の場を設ける

実際の現場での工夫、現役介護士が教える薬を間違えないコツ

座っている高齢者に薬を渡している介護職員
では、実際に介護施設の現場では服薬介助についてどのような工夫がされているのでしょう。必ずしも十分な人数の看護師を雇っているわけではない介護施設では、介護士が服薬介助にあたる場面が多いです。

服薬介助の場において現役介護士が行っている薬を間違えないコツを紹介します。

先に上げた服薬介助で介護士が気を付けるポイントを元にまとめていきます。

1.利用者人数が多い具体例…小グループ毎の担当制

利用者の人数が多い介護施設では、円滑に介護を行うため利用者同士の雰囲気や交流を加味して、身体機能や認知機能別に食堂テーブルに配席が決められていることがあります。

スムーズに服薬介助を行うことや誤薬回避の工夫としてこの配席を利用します。テーブルやグループごとに薬ケースを分けることで確認範囲を縮小できます。

また、服薬担当介護士を決めておくことで配り忘れや間違いを防ぐことができます。

介護士はみな利用者の顔ぶれを把握しているので、テーブルごとで行う介助の内容や薬の内容が頭に入りやすいという利点があります。

服薬介助後の確認の工夫では、お薬ケースの中を利用者個々の名前シールなどを貼って区切り、開封後の薬の包を戻すことで服薬忘れがないかがわかるようにします。

また、チェック表を作成するなどし、記録もします。

この時のダブルチェックの方法としては、テーブルやグループ毎の担当介護士は服薬介助後に看護師に空いたお薬ケースやチェック表を渡し、それを確認した看護師がチェック表にチェックを入れます。

この方法は慌ただしく次の業務に移る介護士にとって効率が良く、最終チェックは医療職がすることになるので現場では実践されやすいです。

【用いる工夫のツール:グループ分け、お薬ケース、チェック表】

2.必要な介助が利用者ごとに異なる具体例…正確さと効率化

必要な介助が利用者ごとに異なる服薬介助では、先に紹介した様に利用者をレベルごとに分けて配席することで限られた介護士の数でありながら、正確且つ効率的に服薬介助を行うという方法が実践されています。

また、介護士の慣れや油断を防止するという意味では、担当者会議などの場で病気と薬の関係を改めて確認しておくという作業も重要です。

なぜその薬を飲む必要があるのかという根本的な理由を現場の職員全体が把握しておくことで、責任感や緊張感が生まれます。

嚥下機能が低下している利用者に対しては様々な工夫が考えられますが、介護施設ではトロミ剤に絡めて服薬することや、スプーンで口腔内まで入れるなどの対応がされています。

【用いる工夫のツール:レベル分け、担当者会議、トロミ剤、スプーン】

3.誤薬のリスク管理に備える具体例…マニュアル作成と振り返り

また、介護施設で実際に行われている誤薬防止の対策の1つとして、マニュアルの作成があげられます。マニュアルには、誤薬等の服薬介助に関連する事故発生時の対応までを記載し緊急事態に備えます。

マニュアルの存在は、職員の顔ぶれが変わってもその介護施設で働く誰しもが統一した方法や対応ができるという点でメリットが多いです。

また、定期的に薬の内容や効能の勉強会、服薬介助の方法の勉強会を開催し、介護の知識と技術の向上を図っている現場もあります。

このほかにも、ヒヤリハット報告書で起きてしまった事故を振り返り、業務改善を図ることはもうすでに多くの介護施設に浸透していると言えるでしょう。

【用いる工夫のツール:アニュアル、勉強会、ヒヤリハット報告書】

その他に考えられる服薬誤りの例

薬を飲もうとしている高齢者の女性
これまで上げた内容以外に、介護施設の現場で実際に起きている誤薬について紹介します。

認知症の方も多く利用する介護施設では、ハンドクリームや塗り薬などを誤って利用者が口にしてしまうことや指ですくって相当量を飲み込んでしまったというケースがあります。

これらは「認知症」や「異食」というケースで検討される事例ではありますが、介護施設内における物品の管理、利用者の持ち込みの薬の管理についての対策として一考しておく価値があるでしょう。

誰でも目の届く場所、手の届く範囲に薬を置いておくことのないよう十分に配慮していく必要があります。

仮に、誤って口にしてしまった薬が体調に影響を及ぼさなくても、胃洗浄や検査などをすることになると利用者にとっては、身体的に負担がかかることになってしまいます。

まとめ

介護施設における服薬介助は、多くの利用者に対して個々に異なる対応が求められます。服薬介助を行う時間帯をみると、その多くは食前食後です。特に朝夕の時間帯では介護士の数が少ない時もあります。

入浴や排泄介助、更衣介助や口腔ケアなど1日の流れの中で時間に追われる介護の現場では、実際に介護士の動きは慌ただしく気を付けていても、食後の後片付けの時に皿の陰に薬が転がっていた、食堂ホールのモップがけの際に錠剤が床に落ちていたということも実際にあります。

こうした服薬忘れがあった時に、明らかに誰のお薬かがわかることもあれば持ち主不明という場合もあり、確信がない中ではそれ以上対応ができないということもあります。そうならないために、誤薬や服薬忘れがないような工夫が介護施設ではされているのです。

どの介護業務にも言えることですが、基本的な姿勢は緊張感をもって業務にあたるということです。

そして、いつものことであっても毎回確認をする、ダブルチェックは当たり前というひとつひとつの手間を大切にすることを現場の介護士は心がけています。これこそが服薬介助を間違えないコツといえるのです。
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